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「米長期金利上昇2.9%台、小幅なドル高の中で金は反落」

2018/04/20
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「米長期金利上昇2.9%台、小幅なドル高の中で金は反落」(2018年4月20日記)

4月19日のNY市場の金価格は反落となった。主要な経済指標の発表のない中、米東部時間18日午後6時(日本時間19日午前7時)から行われた日米首脳の共同記者会見は、特にサプライズはなかった。トランプ大統領は通商政策について特に強硬な姿勢を見せず、為替の水準にも言及しなかったことから、為替相場への影響は限られた。米系メディアでは、トランプ大統領による北朝鮮情勢にかかわる発言部分が中心に取り上げられ、どちらかといえば緊張緩和方向での受け止め方が支配的といえ、金市場は弱気が支配的に。

日米間の通商問題については、昨年2月に立ち上げた日米経済対話とは別に、茂木経済再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による新たな貿易協議の設置で合意した。日本側としては、首脳会談の場での具体的な話し合いを避け急場をしのいだ形となった。米国側が積極的にこの申し出を受け入れたとされるが、それは2国間協定への足掛かりと捉えていることがあるとされる。となると、今後この新協議の場での米国側の要求に強硬姿勢を感じさせるものが混じる可能性がありそうだ。その折々に、ドル円相場などの材料となる話題が飛び出すことになるとみられる。

日米首脳会談の市場への影響という面では、米側の強硬姿勢を警戒し事前に円高材料を懸念する見方があったことから、ドルの買い戻しが見られたものの、それも107円半ばまでと限定的なものとなった。

米国の指標では、フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表され、市場予想を上回った。ただし、この結果も対ユーロでドルを押し上げたものの、目立ったものではなかった。ドルを巡る動きは、ややドル高方向ではあるものの、小動きということに。この日、目立ったのは金利の動きだった。10年債金利(長期金利)は、欧州時間に2.87%から2.93%へと節目の2.9%を突破して上昇し2.910%で終了。利上げ観測を反映する2年債は一時2.449%と2008年9月以来の水準まで上昇した。10年債と2年債の利回り格差は、2007年以来の低水準となっている。逆転(逆イールド化)すると景気後退を表す前兆との見方がある。

こうした中で、金市場はレンジ相場を継続中で、前日とは逆に売りが先行し反落という流れに。安値1343.20ドル、高値1357.70ドルのレンジで、前日比4.70ドル安の1348.80ドルで終了した。なお、前日まで上昇が目立ったアルミなど非鉄金属もこの日は一服気味で反落となり、パラジウムも反落となった。
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