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「先週末からのドルの上昇が失速、金は小幅続伸」

2018/02/23
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「先週末からのドルの上昇が失速、金は小幅続伸」(2018年2月23日記)

2月22日のNY市場の金価格は小幅ながら続伸となった。主要な経済指標の発表のない中で、22日の市場ではドルが弱含みに推移し、金をサポートした。

前の日に発表された1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨が、経済成長に金融当局が自信を深めていることが示されたことを受け、金利上昇への警戒感が戻ることになった。実際に米長期金利は、2.95%と水準を切り上げてた。株式市場は一時の混乱から落ち着きを取り戻しつつあるものの、金利上昇の中でいまだ警戒モードで先月までの勢いは失っている。

その中で22日の市場では、先週末以降戻り基調を高めていたドルが、反落に転じたことが金をサポートすることになった。

アジアの時間帯からドル売りというより、むしろ円買いの形でドル円が下落。107円台後半から前半へ。この流れは意外に持続性があり、欧州時間からNYに向けてさらに進展、106円台半ばまでドルは下落。同様にユーロに対しても売られ、ユーロは1.23ドル台半ばへと上昇。

この日は欧州中央銀行(ECB)の前回理事会の議事要旨が発表されており、関心が集まっていた。物価低迷から抜け出したことに対する自信の深まりを具体的に示すために、緩和策継続に傾いた文言を声明から削除することを一部が望んだとあり、これはややサプライズ。しかし、全体の結論は「そのような調整は時期尚早であり、まだ強い信頼によって正当化されるに至っていない」ということに。年初から市場で高まっている“ECBは出口政策に対する積極姿勢に転じる”との見方に対する手掛かりも示されずといったところ。それでも、ユーロ高傾向は続き、主要通貨に対するドル安から、この日のドル指数(DXY)は一時89.63まで低下し89.74で終了した。前日に7営業日ぶりに90ポイント台回復となったが、1日で明け渡すたかたちに。

この日の米長期金利は低下となったものの、2.922%で終了と2.9%超を維持した。米金利の上昇は理論的にはドルのサポート要因ではあるものの、ドルは反落となり、依然として関係は断たれた状態にある。米国財政の急激な悪化に対する懸念やトランプ政権が掲げる「米国第一主義」に基づく保護貿易に対する懸念が、ドルに影を落とす展開。この中で金は前日比0.60ドル高の1332.70ドルで終了となった。高値は1334.40ドルまで。1320ドル台を中心にマイナス圏で推移し、終盤にプラス圏に浮上した。
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