DAILY 市況解説NY市場を中心に市場動向・トピックをお伝えします。


※登録いただいたメールアドレスは情報配信以外には利用しません。

「予定通り資産縮小を決めたFOMC。
年内追加利上げ示唆から金は反落」

2017/09/21
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「予定通り資産縮小を決めたFOMC。年内追加利上げ示唆から金は反落」
(2017年9月21日記)

9月20日のNY市場の金価格は、通常取引終了後に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や参加者による経済見通しさらにイエレン議長の記者会見を受け、前後で流れが変わることになった。

まず20日のアジアからロンドンの金市場は、FOMCの結果待ちという環境の中で、それでも3日続落の後ということもあり、買いが優勢の流れでおおむね1310ドル台中頃から後半で推移した。NYの通常取引に入って以降も、発表された経済指標には反応することなく「結果」待ちの様相でそのまま通常取引は終了。この時点で前日比5.80ドル高の1318.40ドルで終了となった。

その後の時間外の電子取引の時間帯に発表されたFOMC声明文と参加者の経済見通しにて、6月の会合からの変更なく年内3回の利上げ、つまり12月にも利上げする意向が明らかになったことから、一転して売りが膨らむことになった。この夏に発表された物価を中心に米国指標に弱いものも目立ったことから、ハト派(利上げに慎重なスタンス)的内容を見込んでいた金のみならず各市場にわたり意外性は否めず、金市場では心理的な節目となる1300ドルを割り込むところまで売られることになった。

今回のFOMCでは、政策金利の変更はなし。すでに6月の会合にて示されていた2008年の金融危機に対応して積み上げてきた保有資産(バランスシート)の縮小について正式に決定され10月から実施されることになった。米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の償還金の一部を再投資せず、月間合わせて100億ドル、年内3ヵ月でまず最大300億ドル(約3兆3000億円)相当の資産を圧縮する(=市場からの資金回収)。計画ではこの金額を段階的に引き上げ、最終的には3ヵ月(四半期ベース)で1500億ドルの圧縮を予定している。

この決定はイエレン議長らFRB高官が市場に波乱を起こさないようにとの配慮から、今年に入り折に触れ可能性を示唆してきたことから、織り込み済み。一方、利上げ見通しについては12月の利上げ実施さらに18年はさらに3回引上げについて、今回のFOMC参加メンバー16人中12人が支持していたが、これは6月の会合から変化はなかった。つまり多くのメンバーが、この間の弱含みの経済指標やハリケーンなどを受けても、「利上げシナリオに変更ナシ」と見立てたことになる。もちろん、利上げ実施が目される12月まで時間があるため、この間に起きることで変更の余地はあるものの、当面の方向性は示されたことになる。

結果を受けた金市場は、先に触れたように1300ドル割れまで売られ、その後は買戻しの動きに本日のアジアの午前の時間帯は1300ドル台わずかに超える水準で推移しているが、やはり上値の重さを感じさせる展開となっている。
PAGE TOPへ