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「金は小幅続伸も株価の急伸に上値の重い展開」

2018/10/17
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「金は小幅続伸も株価の急伸に上値の重い展開」(2018年10月17日記)

10月16日のNY市場の金価格は小幅に続伸となった。先週の株安をきっかけに反転した金市場は、政府批判で知られるサウジアラビア人記者の殺害疑惑を巡り同国と欧米諸国との対立という地政学要因も加わったことで、切り上げた水準を維持して推移。16日は、ロンドンから通常取引入り後のNY午前の時間帯にかけて、これまでの流れを継いだ買いが先行し1230ドル台半ばまで買われることに。

その後は、取引開始以降、一貫して戻り基調をたどり水準を切り上げながら進行した株式市場の勢いに、押し戻されるような形で上げ幅を縮小することになった。NYコメックスの通常取引は、前日比0.70ドル高の1231.60ドルで終了した。その後の時間外の電子取引の時間帯には、1230ドルを割り込み、1228ドル近辺で17日のアジアの時間帯に引き継がれることになった。ロンドンからNYの午前の時間帯は、ファンドのショート・カバー(空売りの買戻し)が相場を支え、堅調に推移したと見られる。また、株価上昇のわりにドルは上がらずドル指数も横ばいからやや低下したことも金価格をサポートした。

この日目立ったのは前述のように米国株の戻りだった。NYダウ、S&P500種、ナスダックの主要株価3指数ともに2%以上の大幅上昇で、いずれも1日の上昇率としては3月以来の大きさとなった。この日発表された経済指標が米経済の好調を映したものとなる一方で、主要企業が発表した決算の好調さも株価を押し上げた。経済指標については、9月の鉱工業生産指数が4ヵ月連続で上昇したほか、8月の求人件数が2000年の統計開始以来の最高水準となった。ただし、この内容を受けた債券市場の反応は限定的なものとなった10年債利回りは、一時3.177%まで上昇(価格は下落)したものの、押し目買いが入り3.15%に低下する場面も見られた。株価は戻れど、債券利回りは戻らず。長期金利の急騰が、先週の株式市場の波乱の背景だっただけに、債券市場が落ち着いていることが株価を押し上げたという側面も。

本日は、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表される。(景気を冷やしも過熱もさせない金利を意味する)中立金利の水準を巡って、メンバー内で意見にばらつきがあるとされ、関連する話し合いの内容に関心が集まっている。
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