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「好調な米国指標を受けNY株反発の中、金は反落」

2017/03/29
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「好調な米国指標を受けNY株反発の中、金は反落」(2017年3月29日記)

3月28日のNY市場の金価格は反落となった。この日の金融市場は、前日までのリスク・オフ(リスク資産回避)傾向の高まりから回復、アジアの取引時間帯から(配当権利落ち前最終日ということもあり)東京株式市場が堅調に推移、他の市場も押しなべて回復。欧州さらにNY市場も反発となった。発表された米国関連の指標に好調なものが多く、前日に意識された政治リスクによる落ち込みを補う形で市場センチメントは回復、この中で金価格は上値の重い展開となった。

28日の金市場は、アジアからロンドンの取引時間帯はおおむね1250~1255ドルの狭いレンジで推移。前日に水準を切り上げ1250ドル台に乗せ、利益確定の売りが出ているとみられる割には、堅調に推移という印象。NYの通常取引に入る前段階では、一段ギアアップし1255ドル超に水準を上げそのまま横ばいで推移した。終盤もそのまま水準を維持し、通常取引は前日終値に近い0.10ドル安の1255.60ドルで終了した。ただし、その後の時間外の取引では、NY株が発表された指標の良さやライアン下院の減税策への積極発言などから上げ幅を拡大する中で、米金利が上昇、ドルも上昇という流れが強まり、金価格は1250ドル割れに押し戻され、その後は1250ドルを挟んだ取引に移行することになった。

このところ米国関連の指標では、株高や住宅価格の上昇を映し消費者心理や企業部門のセンチメントという、いわゆるソフト面の指標に好調なものが目立っている。28日に発表された米コンファレンスボードの3月の消費者信頼感指数は、125.6と(上方修正された)前月の116.1から大きく上昇し、2000年12月以来の高水準を記録した。市場予想は114.0となっていたので、予想外の上振れといえるもの。細目の現況指数や期待指数も大きく上昇。その中で目を引いたのは、1年先のインフレ期待が2月の4.8%から4.6%に下がっていたこと。ビジネスや雇用、所得に関する短期的見通しは楽観論に傾く中で、インフレ期待は高まっていなかった。インフレ期待については、他の類似の指標でも高まっておらずFRB(連邦準備理事会)の政策方針との兼ね合いからも個人的に注目している。

28日は前日急低下した米長期金利も2.412%と急反発し、合せてドルも反発。流れからすると金はセオリー通り値動きが重くなったということに。オバマケア代替法案の失速でやや評価を落とした形のポール・アイアン下院議長だが、28日は次のステップとして税制改革の協議を進めるのと並行し、改めてオバマケア代替案について合意に向けた障害除去を模索すると発言、株式市場などでは好感されたようだ。
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