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「ドル指数上昇の中で金は6ヵ月ぶりの安値水準に」

2018/06/22
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「ドル指数上昇の中で金は6ヵ月ぶりの安値水準に」(2018年6月22日記)

6月21日のNY市場の金価格は続落となった。引き続きドル相場に左右される展開が続いている。ポルトガルの保養地シントラで開催された欧州中銀(EC)の年次フォーラムでの「段階的な利上げを継続する根拠は強い」とのパウエルFRB議長の発言が、この一両日のドルの押し上げ材料とされる。しかし、発言内容は先週の連邦公開市場委員会(FOMC)に際してのものと大差なく、再確認といった位置付けとなろう。このところ、例えばドル指数(DXY)でみて、節目の95ポイントを突破したところで上げに勢いがついたことからみて、ドル高も、いわゆる「上振れ」という領域に入っていると表現できるのではないか。このドル指数の上振れの中で、金はファンドの売りに21日は、ついに1270ドル割れを見ることになった。

21日の市場では前日からのドル高の流れの中で、ユーロドルは投機的なユーロ売りもあり昨年7月20日以来の安値水準となる1.1508ドルまで下値をみることになった。この時点でドル指数も95ポイント半ばまで上昇し11ヵ月ぶりの高値水準に。この動きを移す形で金価格はアジアの時間帯から1270ドル割れとなり、その後のロンドンの時間帯も1260ドル台で下値を探る展開となった。結局、NYの早朝から通常取引開始に向けて売り込まれた際につけた1262.40ドルが安値となった。通常取引入りした後に発表された6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が、前月の34.4から19.9へと急低下。2016年11月以来約1年半ぶりの低水準となったことが判明。市場予想の29.0も大きく下回ることに。

米中西部の製造業の景況を表す指数で、普段はあまり関心を向けられない指標のひとつといえるもの。このデータに、為替市場ではドル売りに転じユーロドルは急反発。上下しながら1.1633ドルまで戻りを見せることに。ドル指数は急落となり、95割れから94.63まで下落。金市場では買戻しの動きが見られ、こちらも反発。その後は回復基調で水準を切り上げながら進行。しかし、最後までプラス圏には浮上できずに終了となった。前日比4.00ドル安の1270.50ドルの終値は、昨年12月20日以来の安値水準となる。なおプラチナも終値ベースでの年初来安値を更新、863.20ドルは2016年2月2日以来、約2年5ヵ月ぶり安値水準に。

フィラデルフィア連銀製造業景況指数への予想を超えた反応は、パウエル議長の発言にもあるように「強い」ことが前提になっている足元の米国経済の指標としては、意外感があったことによるものと思われる。
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