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「NY金価格は3連騰も上げ幅を削る展開。
日銀の政策動向に関心集まる」

2016/07/29
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「NY金価格は3連騰も上げ幅を削る展開。日銀の政策動向に関心集まる」
(2016年7月29日記)

7月28日のNY市場の金価格は続伸で3連騰となった。とはいえ、前日の通常取引の終値との比較ということ。NYコメックスの通常取引は、前日比5.60ドル高の1332.30ドルで終了した。前日の通常取引終了後に発表されたFOMC(連邦公開市場委員会)の声明文が、予想されていたほどには利上げを示唆すトーンは強くなく、発表後にドルが軟化したことも手伝い金は1340ドル台まで買い上げられており、プラス圏とはいえ印象的には上げ幅を削ったといったところだ。

28日の市場はFOMC声明文発表後に水準を切り上げた1340ドル台を引き継ぐかたちでアジアの時間帯の取引がスタート。さすがにこの水準では戻り売りも多いものの、それでも1340ドル台手前を維持してその後のロンドンの時間帯に入りNY市場に受け継がれることになった。そのNYの通常取引入りの際に買いが集まったことから1344.30ドルの高値を記録。この2週間ぶりの高値が結局この日の高値ということに。その後は、利益確定の売りに徐々に上げ幅を削りながら進行し、午前10時過ぎには1340ドル割れに。以降も同じ展開で1332.30ドルで終了ということになった。

もともと今回のFOMCでは政策金利の変更は予想されておらず、議長の記者会見付きの9月の会合についても利上げを示唆するものは出ないであろうという見通しがあった。ところが、ここにきて米国関連の指標に強気のモノが予想以上に増えたことから、声明文も強気の内容になる可能性も浮上していた。示されたのは、利上げの方向にあるのは間違いないが、実行については慎重に見極めるというもの。いまやFRB内ではハト派の最右翼として知られるブレイナード理事の唱えてきた慎重路線がイエレン議長など中枢部でも共有されているとみられる。

FOMCを通過したことで次の市場の関心事は、本日の日本銀行の金融政策決定会合での追加緩和策の有無と実施された場合の内容に集まっている。報道では市場関係者の8割は追加緩和策の実施を予想しており、見送られた場合の市場の反動はドル円相場を中心に大きくなりそうだ。ここにきて政府が大型経済対策の意向を示しており、したがって日銀の政策は温存すべしという考え方と、否、ここで政府と手を携えて動くべきという考え方がある。いずれもここまでサプライズを重ねた緩和策の連発で、政策手段の限界も指摘されいるだけに、どうなるか。為替市場も国内株式市場も(値動きが荒れることへの)警戒モードの中で発表を待っている状況。
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