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「来週のFOMCを前に早くも模様眺め、
慎重スタンスを示したドラギECB総裁」

2018/12/14
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「来週のFOMCを前に早くも模様眺め、慎重スタンスを示したドラギECB総裁」
(2018年12月14日記)

12月13日のNY市場の金価格は、小幅反落となった。この日は欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を開き、政策金利の据え置きと量的緩和策の年内の終了を決めた。しかし、すでに織り込み済みのため、目立った反応は見られなかった。主要中銀の中でECBと日銀の政策については当面、大きな変化はないと見られており、市場の関心は米連邦準備理事会(FRB)に集まっている。したがって来週12月18‐19日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、すでに市場の基調は模様眺めといったところ。特にこのところ株式は別格として債券に比べても為替市場は値動きに乏しい展開を続けていることから、もっぱらドルの動きを見ての取引が目立つ金市場についてもレンジ相場が続いている。13日も上下8ドル以内に収まる展開となった。その中でアジアからロンドンの時間帯は、おおむね1250ドル台で推移。NYの通常取引入り後は、ドルがやや強含んだことから、1250ドル割れとなった。ただし大きく売り込む動きも見られない。NYコメックスの通常取引は、前日比2.60ドル安の1247.40ドルで終了となった。

ECBは2兆6000億ユーロ(約330兆円)規模の量的緩和策の終了を決めたが、保有する債券の(償還金の)再投資(つまりそのまま債券買いに回す)については、来年以降、金利の引き上げに着手した以降も長く続ける方針を示した。現行の政策金利については、少なくとも来年の夏までは引き上げない方針としている。ただし、こうした方針もデータ次第ということになる。

会議終了後のドラギ総裁の記者会見は、ややハト派的なものと受け止められた。もともとECBのスタッフ予想でもインフレや成長率の見通しはやや下方修正されたが、総裁は「成長見通しを巡るリスクは、おおむね均衡していると引き続き判断することができる」とした。しかし一方で、「地政学的要因を巡る不透明性が払しょくされないこと、保護主義の脅威、新興国市場の脆弱性、金融市場の値動きの荒さを踏まえると、リスクのバランスは下向きに傾きつつある」とした。欧州の主要国での政治的不透明性や米中摩擦は、ECBの金融政策上も無視できなくなっている。

来年は減速傾向というのが、世界的な見通しの基調になりつつある。
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