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「米利上げ観測の高まりの中、ファンドの売り続き続落」

2016/05/30
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「米利上げ観測の高まりの中、ファンドの売り続き続落」(2016年5月30日記)

週末5月27日のNY市場の金価格は続落で8営業日連続安となった。5月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録(4月分)の公開以降に一気に高まった利上げへの警戒感の下で、断続的なファンドの売りが続いている。利上げ見通しに基づいたこの間のドル高も、金売りを後押しする形になっている。

当初は利益確定の売りが、1250ドル割れから1200ドル方向へ下げが続く中で、見切り売り(いわゆるポジション整理の売り)に転じていると思われる。この点で週末に米CFTC(商品先物取引委員会)が発表する、5月24日時点での先物市場でのファンドの投資状況(ポジション)が注目された。FOMC議事録が公表され複数の地区連銀総裁による連日の利上げ前向き発言が伝わる中で売られていた際のデータとなることによる。

結果(オプション取引除く)は前週比で重量換算にして買い建て(ロング)は154トンもの減少。売り建て(ショート)は逆に32トン増加していた。その結果ネットのロング(正味の買い越し)量は185トン減少の643トンとなった。5月3日のピーク時から202トン減ったことになる。

その後も週末27日まで続落状態となっていることから、週末6月3日に発表される今週31日までのデータも大きく買いが整理されている(減っている)と思われる。一気に調整が進んでいるとみられる。

27日の金市場は、NYの時間帯の午後にボストンのハーバード大学にてイエレン議長の自身の過去の業績についてのスピーチの後に主催者側(マンキュー教授)の質疑が予定されていたことから、今後の政策方針に示唆的な発言が飛び出すのではとの期待あるいは警戒感があった。もともと足元の金融政策について語る機会ではなかった。ところがマンキュー教授の市場を慮った?上でのことか関連する質問が出て、イエレン議長がそれに応じることになった。それが、「経済成長が見込み通り続けば、今後1~2ヵ月以内での(in the coming month )利上げがおそらく適切」というこの週末に各種メディアが報じているものだった。

この発言を前にした金市場は、発表された米1-3月期GDP改定値が、市場予想の前期比年率プラス0.9%には届かなかったもののプラス0.8%と速報値のプラス0.5%から上方修正されたことや、消費者信頼感指数が95ポイントと高水準を維持していたこともあり、すでに売りが先行していた。NYコメックスの通常取引は前日比6.60ドル安の1213.80ドルで終了。イエレン議長の発言が伝わったことで、その後の時間外取引で更に売りが膨らみ1206.40ドルの安値をみている。その後は若干買戻しの動きがあり、再び1210ドル台に値を戻し週末の取引が終わった。

今週は利上げ判断の材料となる5月の雇用統計の発表が3日にある。それを受ける形で6月6日(月)にはイエレン議長の講演が予定されている。金市場は1200ドル台を維持できるか否かの展開に入っている。

なお本日のNY市場は、メモリアル・デーの祭日で休場となります。
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