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「米12月小売売上高のサプライズ、
一時安値を試していた金は反転」

2019/02/15
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「米12月小売売上高のサプライズ、一時安値を試していた金は反転」(2019年2月15日記)

2月14日のNY市場の金価格は、反落となった。NY時間外のアジアからロンドンの時間帯にかけて、米中通商交渉に関する楽観的な見方や、ユーロ圏の中軸国ドイツの経済指標の不振などからドルが買われユーロが下落。金は時間の経過とともに水準を切り下げ、NYの早朝には1304.70ドルと取引時間中(ザラバ)の安値としては1月29日以来の水準まで売られることになった。しかし、押し目買いが入り1300ドル割れを試すような展開には至らずそのままNY時間に。通常取引開始後に発表された米12月の小売売上高が想定外の弱いものとなったことを受け、金利の低下とともにドルが売られ金は急反発、1310ドル台半ばまで上昇した。その後は売り買い交錯の中で終盤にはプラス圏に浮上も結局前日比1.20ドル安の1313.90ドルで終了となった。

この日発表された2018年12月の小売売上高は、米政府機関閉鎖の影響から発表が遅れていたもの。市場予想が前月比で0.1%増のところ1.2%減と2009年9月以来9年ぶりの大幅な減少となった。同時に11月の数値も当初の0.2%増から0.1%増に下方修正されることに。
2009年9月は、リーマンショックの翌年で、米国景気はようやく景気後退から抜け出したタイミングで、経済の足取りも不安定な時期だった。

このところの米国経済は、堅調な個人消費により成長が維持されており、今回の結果により同じく発表が遅れている10-12月GDP速報値の予想値も引き下げる必要を感じているアナリストや機関も多いと思われる。結果を見た反応には「目を疑うほどの弱さ」というものもあり、政府機関の閉鎖からデータ収集作業に誤りがあったのではと統計の信頼性を疑問視する見方出るという足元の日本のような状況も。それだけ、今回の結果はサプライズということに。ちなみに米商務省は、「処理とデータの質には目を光らせており、回答率も今回分は通常水準並みか上回っている」と説明したとされる。

今回のデータ収集期間には、12月22日にスタートした政府機関の閉鎖期間が含まれる。この時期に株式市場も大きく下落するなど消費者マインドに影響を与えた可能性がある。しかし、このところ例年、年末商戦は前倒しされており、閉鎖の影響というよりも、やはり大幅株安による逆資産効果が表れたというべきか。いずれにしても、「ひとり勝ち」とされてきた米国景気にも急激な変化が表れている可能性があり、市場も慎重スタンスに転じるということか。

この流れの中で、ドル円相場は発表前に一時111円台を記録していたが、110円台半ばに押し戻されることに。円建て国内金価格には、ドル建て金価格が1310ドル台に滞留する中で円安効果から上昇が続いたが、為替効果には一巡感がでる可能性がありそうだ。
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