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2019年12月

石福金属興業株式会社 管理部 資材グループ 鼻渡 総一郎

  • 金市場の動向
  • プラチナ市場の動向
  • 為替市場の動向

金市場の動向 12月の動き
金価格チャート
ドル建て金相場
 1,460 ドル台前半でスタートした金相場は3 日、米中通商協議を巡るトランプ米大統領の発言等を受け、「第1 段階」の合意期待が後退する中で大幅反発。米株価も急落する中で1,470 ドル後半まで上昇した。その後、通商協議合意への長期化懸念はある程度解消されるも、発表された米経済指標が予想を下回る中で金価格は底堅い値動きが続き、5 日まで1,470 ドル半ばで推移した。
 しかし、6 日に発表された11 月の米雇用統計の非農業部門就業者数が市場予想を大幅に上回る良好な内容であったことから、金価格は一転急落。米国経済の先行き懸念が後退する中で1,460 ドルを割り込んだ。
 その後、急落を受けての安値拾いの買いや対ユーロでのドル安を背景に金相場は1,460 ドル台を回復。10-11 日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の予想通り金融政策の据え置きが決まったが、同時に発表された政策金利見通しにて、2020 年末の予想中央値が1.6% と前回の1.9%から引き下げられた為、金利を生まない資産である金の支援材料となり、概ね1,460 ドル台後半で推移した。
 15 日に発動が予定されていた対中追加関税発動は、米中の第一段階合意によって見送られ、金価格は一時下落したものの、米下院司法委員会で、トランプ米大統領に対する弾劾訴追案が賛成多数で可決され、下院本会議で採決にかけられることとなり、大統領の弾劾懸念が浮上。これがリスク要因となり金価格は再び上昇、16 日には1,470 ドルを突破した。
 その後は、低調な米経済指標と米中貿易協議の進展期待、米大統領の弾劾訴追といった強弱材料が入り混じるも、対ユーロでのドル安や米金利の低下が金価格を後押しし堅調に推移。23 日には1,480 ドルを突破し、30 日には1,510 ドル台に乗せてこの年の取引を終了した。
今後の見通し
 米中通商合意「第1 弾」の署名が1 月中旬に予定されるも、年始早々に発生した中東での地政学リスク等のリスク要因や、低金利を背景とした金への資金流入が相場を下支えすると思われ、金価格は引き続き堅調に推移すると予想する。

プラチナ市場の動向 12月の動き
プラチナ価格チャート
ドル建てプラチナ相場
 890 ドル台後半でスタートしたプラチナ相場は、米中通商協議の先行き懸念が浮上する中で、米株価の下落に上値を圧迫されながらも金価格の上昇に追随。4 日には900 ドル台後半まで上伸した。しかし、相場上昇を受けた利益確定売りに圧され、再び900 ドルを割り込むと、良好な米雇用統計による金価格下落と株価上昇という強弱材料が入り混じる中、9 日まで概ね890 ドル後半で推移した。
 しかし、9 日に南アフリカの国営電力会社エスコムが南アフリカでの大洪水の影響等による計画停電を発表すると反転上昇。夏季としては異例となるStage6(6,000MW)の計画停電で、複数の白金族系鉱山会社が操業を一時停止したとの報道もあり、プラチナ相場は10 日910 ドル台後半まで上昇すると、12 日には940 ドル台まで値を上げた。
 その後、計画停電の状況が落ち着いたことや大幅上昇に対する利益確定の売りが入る中で、プラチナ相場は930 ドル台まで下落。良好な米株価に下支えされ、20日までは概ね930 ドル半ばで推移するも、パラジウムのポジション調整売りに伴う大幅急落につれて23 日は910 ドル台まで下落した。しかし、年末にかけナスダック総合指数が史上最高値を更新する等、堅調な米株価に支えられ反発。30 日には950 ドル台に乗せてこの年の取引を終了した。
今後の見通し
 工業面での目新しい材料は乏しく、需給面も大きな変化は見られない。総じて上値が重いと想定するが、株価や金価格等に左右される展開が続くと思われる。



為替市場の動向 12月の動き
ドル円為替チャート
ドル円為替相場
 109 円台半ばでスタートしたドル円相場は、11 月の米ISM(供給管理協会)製造業景況指数などの米経済指標が低調な内容であったことや、米中貿易協議の長期化懸念から4 日には108 円台半ばまで値を落とした。
 その後、11 月の米雇用統計の数値が市場予想を上回った事で、ドル買い・円売りが先行。再び108 円台後半まで値を上げるも、FOMC 後に発表された声明で、政策金利見通しの予想中央値が1.6% と前回会合の1.9% から引き下げられた事でドル売りが優勢となり、12 日には再び108 円台半ばまで値を下げた。
 しかし、米中貿易協議の「第1 段階」の通商合意が発表され、15 日に発動予定だった対中追加関税の発動が見送りとなると、相対的に安全通貨とされる円を売る動きが優勢となり、109 円台半ばまで上伸した。
 以降は、米中貿易協議の「第1 段階」合意を受け、対ドルで円が売られる流れが継続するも、合意の詳細について米中に発表に隔たりがある他、トランプ米大統領の弾劾訴追案の可決といったリスク要因が散見される中で、ドル円相場は概ね109 円台半ばを挟んでの値動きとなり、30 日には109.50 円台でこの年の取引を終了した。
今後の見通し
 年始早々に発生した米軍によるイラン革命防衛隊の司令官殺害により、中東情勢は緊張の度合いを増している。米中の第一弾合意の署名も控えてはいるものの、上値の重い展開となる事を予想する。

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