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「FRB、長期金利の過度な動きはけん制?金は反発」

2021/03/03
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「FRB、長期金利の過度な動きはけん制?金は反発」(2021年3月3日記)

3月2日のNY市場の金価格は反発となった。一時は8カ月ぶりの安値水準まで下値を見たものの、売られ過ぎとの判断もあり浮上し、6営業日ぶりの上昇となった。前日には金の売り材料となったドル高の流れも後退した。ユーロが対ドルで反発したこともあり、ドル指数(DXY)は一時3週間ぶりの高値91.396まで上昇した後に、前日比マイナス圏の90.731に低下した。2月最終週を中心に見られた米債券市場の不安定な値動きから起きた長期債利回りの急騰は、ドル指数にも影響し、こちらもこの2週間上下動が比較的大きくなっていた。米長期金利とドル指数の上下動の組み合わせの中で、金市場では売り圧力が高まり、昨年11月以来の価格レンジの下限を下回る状況がみられていた。

この日の金市場は、アジア時間の取引がプラス圏で始まったものの、すぐに売りが先行する流れに転じ下値追いとなり相場は1700ドルに接近。1704.60ドルまで売られたところで反転し、以後はロンドンからNYの午前にかけて緩やかに水準を切り上げながら相場は進展した。3日は米長期金利も落ち着き、上記のようにドルも弱含んだこともプラスに働いた。NYのお昼に向けて、売り圧力が高まったものの、すぐにプラス圏に浮上すると終盤は買い優勢のまま取引を終了した。NYコメックスの通常取引は、前日比10.60ドル高の1733.60ドルで終了した。

金の値動きは、終盤に向けて強含みに推移したが、印象としては、この日外交問題評議会(バーチャル形式)のイベントで講演したブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事の発言内容がサポート要因となったと思われる。

同理事は、「債券市場の価格や変化のスピードには細心の注意を払っていく」と発言。長期金利の上昇は、経済正常化への期待の表れ(パウエルFRB議長)という容認スタンスから一歩踏み込み、先週の利回り急騰については「目に止まった」とも発言している。市場では、行き過ぎた上昇にはけん制するスタンスとの受け止め方が広がり、3月16、17日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利回り上昇の抑制策について話し合われるとの思惑も生まれている。株価は政策目標にないFRBだが、長期金利の動きにより市場が不安定化するのは避けたいところでもある。

今週は、4日に米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが開催するイベントにパウエルFRB議長が登壇する予定となっており、一連の債券市場の動きにどのような発言をするかに、市場の関心が向けられている。
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