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「金は利益確定の売りで反落、1800ドル台は維持」

2020/07/10
Market Strategy Institute Inc.代表
金融・貴金属アナリスト
亀井 幸一郎

「金は利益確定の売りで反落、1800ドル台は維持」(2020年7月10日記)

7月9日のNY市場の金価格は反落となった。新型コロナ感染が米国内で再拡大しロックダウン(都市封鎖)措置再導入への懸念が続く中で、金価格は1800ドル台で推移。しかし、さすがに2011年9月以来の高値水準ということで、売り買い交錯状態で最終的に利益確定の売りに押される形となった。NY時間の昼前には一時1800ドルを割れを見たものの、その後買い戻され1800ドル台は維持した。NYコメックスの通常取引は、前日比16.80ドル安の1803.80ドルで終了した。なお、この日は残高の増加が続いていた金ETF(上場投信)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」も売りが勝り9営業日ぶりに減少となった。

日本国内でも東京など感染者数の拡大が懸念される中で、米国では今月に入り7日に6万人を突破し1日で過去最多の新規感染者数となり、9日も6万人近い数字が続いている。フロリダとテキサス州では1日の死者数がこれまでの最多となるなど、ロイター通信の集計によると、全米50州のうち42州で最近2週間の新規感染者数がその前の2週間を上回っている。米国政府による失業給付の増額措置や企業向けの雇用支援策は、おおむね6月末から長くて9月末までとなっているが、これはこの時期までには感染拡大が下火になることを想定してのもの。米連邦準備理事会(FRB)による、企業サポートの一般社債の買い入れや融資の買取りも、緊急避難措置として9月末の時限的措置となっている。足元の感染拡大は混乱の長期化を思わせ、政府と金融当局にとっても誤算ということになり、追加対応を求められる事態が予想されるもの。

この日米労働省が発表した7月4日終了週の新規失業保険申請者件数は131万4000件となった。前週の141万3000件から減少し、市場予想の137万5000件も下回ったものの、依然として歴史的高水準のままとなっている。独記念日の祝日に伴い申請が抑えられたとの指摘も見られている。8日には米航空大手ユナイテッド航空が、全従業員の4割に当たる3万6000人を削減する可能性があると社内で通知したと報じられた。これも先に触れた政府支援が9月末で切れることを映したものと思われるが、小売業を中心に幅広い業種で、再び人員削減や一時帰休の発表がされている。米国では雇用の削減が、財政難から州政府や郡など地方自治体職員にも広がっており、5月以降のFRBの社債買い入れには、地方自治体の借入を意味する地方債も初めて対象とされている。

こうした中で米国株式市場も下げたが、唯一、ナスダック総合株指数だけは連日で終値ベースでの過去最高値を更新して終了となった。指数の200日移動平均線からのかい離など、過熱は指摘されているものの、アップルなど一部銘柄への成長期待の買いが続いている。
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