金地金のできるまで
鉱物は、地球の奥深いところで何百万年、何千万年、静かにゆっくり時間をかけて分離と濃縮を繰り返し、熟成されます。
歴史に人類が登場すると、鉱物の中でも特に光り輝く黄金が最初に目に止まり、権威の象徴として、また財宝として深くかかわり合うようになりました。金地金は、鉱石からどのようにして作られるのでしょうか。
住友金属鉱山(株)が運営する菱刈鉱山で産出された金鉱石を例に、金地金ができるまでの工程をご紹介します。
歴史に人類が登場すると、鉱物の中でも特に光り輝く黄金が最初に目に止まり、権威の象徴として、また財宝として深くかかわり合うようになりました。金地金は、鉱石からどのようにして作られるのでしょうか。
住友金属鉱山(株)が運営する菱刈鉱山で産出された金鉱石を例に、金地金ができるまでの工程をご紹介します。

菱刈鉱山で採掘された鉱石は破砕され、
選別されて船で住友金属鉱山(株)東予工場(愛媛県西条市)へと運ばれます。
この鉱石1トンには金約40グラムが含有されています。
選別されて船で住友金属鉱山(株)東予工場(愛媛県西条市)へと運ばれます。
この鉱石1トンには金約40グラムが含有されています。

菱刈をはじめ、世界各地の鉱山から輸入された20種類以上の鉱石は広大な貯鉱場に。
それらは成分に応じてブレンドされ、
必要な量だけ自溶炉へとベルトコンベヤーで送られます。
それらは成分に応じてブレンドされ、
必要な量だけ自溶炉へとベルトコンベヤーで送られます。
金の精錬・精製の流れ
鉱石には様々な成分が含まれており、いくつもの工程を経て各種金属が取り出されます。
銅の精製工程で純銅が取り出された後に、貴金属の精製工程を経て金地金ができあがります。
銅の精製工程で純銅が取り出された後に、貴金属の精製工程を経て金地金ができあがります。
銅の製錬・精製工程
- 1自溶炉
- 銅精鉱(輸入)中の鉄分を分離除去するため硅酸鉱(菱刈の鉱石)が加えられる。
鉱石中の金・銀はマットに吸収され転炉工程へ。
- 2転炉
- マットに硅酸鉱と酸素を加え、鉄と硫黄を取り除き、品位99%の粗銅にする。
- 3精製炉
- 粗銅をさらに精製し、銅電解用アノード(陽極板)に仕上げる。
金・銀はこの中に含まれている。
- 4銅電解
- 電気分解によってアノードは品位99.99%の電気銅となり、金・銀などその他の有価金属は、スライム(沈殿物)となって貴金属の精製工程へ。

自溶炉、転炉を経て鉱石は粗銅にまで精錬され、さらにこの精製炉で銅品位 99.2%まで精製される。

計量樋で鋳型に流され、鋳造後、銅アノードとして銅電解工程へ送られる。

まだ赤く火照っている鋳造銅アノードは、剥取機で1枚ずつ剥がされる。
貴金属の精製工程
- 5浸出
- スライムを塩素ガスで浸出処理し、
金を含む浸出液と銀を含む残留物に分離する。
- 6金抽出
- 浸出液から溶媒抽出法によって金を抽出する。
- 7金精製
- さらに抽出された金を精製し、金粉末ができあがる。
- 8成形
- 金粉末はショット金やインゴットに加工され、商品として販売される。

様々な大きさのインゴットに鋳造された後、マーク・ナンバー・純度などが刻印される。

ショット金の場合は、大きさ約2~3ミリの粒状に加工される。
最終工程のショット化工程はクリーンルーム内で行われるため異物混入が防げ、品位は99.999%(5N)以上の保証が可能。
最終工程のショット化工程はクリーンルーム内で行われるため異物混入が防げ、品位は99.999%(5N)以上の保証が可能。