貴金属市場の動向

2020年6月

石福金属興業株式会社 管理部 資材グループ 鼻渡 総一郎

  • 金市場の動向
  • プラチナ市場の動向
  • 為替市場の動向

金市場の動向 6月の動き
金価格チャート
ドル建て金相場
 1,730 ドル台でスタートした金相場は、香港を巡る米中対立や米ミネアポリスで起きた白人警官による黒人拘束死に対する抗議デモ拡大(一部暴徒化)による経済やCOVID ‐ 19 感染拡大の懸念から3 日は1740 ドル台まで上伸した。
 しかし3 日に発表された民間のADP 雇用統計、5 日に発表された5 月の米雇用統計、それぞれの非農業部門就業者数(NFP)が予想外に良好な内容であったことから、一転売られる展開に。米株価が大幅高となる中で5 日は1,670 ドル台まで値を下げた。
 その後、株高が一服し、ドルが主要通貨で弱含む中で金価格は1700 ドル台を回復。10 日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)による声明では、少なくとも2022 年までは現在のゼロ金利政策を維持する方針が発表された他、パウエルFRB 議長も経済の回復に慎重な姿勢を示した事で、市場の経済V 字回復の期待が後退。COVID-19 の感染第2 波への警戒も強まる中、金価格は11 日に1,730 ドル台後半まで値を戻した。
 以降、外国為替市場でのドル高により一旦は1,710 ドル台まで値を下げるも、COVID-19 の世界的な感染拡大の第2 波が意識され堅調に推移。22 日にはCOVID-19 の1 日の感染者数が約183,000 人と、過去最高を記録した事で警戒感がさらに強まり、金価格は1,760 ドルを突破。COVID-19 の対応や香港統治を巡る米中対立の激化も金の支援材料となり底堅く推移し、30 日に1,760 ドル台後半をつけ、この月の取引を終了した。
今後の見通し
 COVID-19 の感染拡大第2 波や香港統治等を巡る米中対立激化の懸念が支援要因となり引き続き底堅い推移が続くと思われる。

プラチナ市場の動向 6月の動き
プラチナ価格チャート
ドル建てプラチナ相場
 830 ドル台でスタートしたプラチナ相場は5 月の米ISM 製造業景況指数や中国製造業PMI 等の経済指標の改善を受け2 日に840 ドル台半ばまで上伸。その後、米雇用統計の良好な内容や欧州、米国での経済活動の再開による需要増加観測を期待されつつも、金やパラジウムの価格に追随する動きが続き、概ね820 ~ 830 ドル台での値動きが続いた。
 米FOMC の声明で米国の経済の先行きや雇用情勢に慎重な見方が示される中で、欧米株価が大幅続落すると、産業用メタルであるプラチナの重しとなり15 日は800 ドルを割り込む展開に。
 翌日には、株価の持ち直しもあり820 ドル台まで再び上伸するも、米国をはじめ世界各国でCOVID-19 の感染拡大第2 波が意識される中で上値の重い展開が続き、以降、プラチナ価格は概ね810 ~ 820 ドル台での推移が続いた。
 月末にかけては、25 日に米国での1 日あたりのCOVID-19 新規感染者数が過去最大を更新する中で800 ドル台を割り込むも、米株価や金価格の上昇に追随し、30 日に810 ドル台まで回復しこの月の取引を終了した。
今後の見通し
 株価や金価格に左右される展開が続くと思われるが、COVID-19 の感染拡大第2波が懸念される中、上値の重い展開が続くと思われる。



為替市場の動向 6月の動き
ドル円為替チャート
ドル円為替相場
 107 円台半ばでスタートしたドル円相場は、米ISM 製造業景況指数などの経済指標に前月の値より改善が見られた他、5 日に発表された米雇用統計のNFP も予想外に良好な内容であったことから上伸。9 日は109 円台半ばまで値を上げた。
 しかし、ウイグル族弾圧を巡る米中対立激化の懸念や、米FOMC で2022 年までゼロ金利政策が継続することが発表される中で、円は一転買われる展開に。9 日に108 円台まで値を下げると12 日には欧米株価の急落も材料となり106 円台半ばまで値を下げた。
 以降はCOVID-19 の感染拡大第2 波が警戒される中、米経済指標に改善が見られるなど、強弱材料が入り混じり売り買いが交錯、概ね106 円台後半~ 107 円台半ばでの推移が続いた。月末にかけては、香港国家安全維持法を巡る米中対立激化懸念などで円が買われる場面も見られたが、良好な米経済指標によってドルが買い戻されると円価格は上昇に転じ、30 日には107 円台後半をつけてこの月の取引を終了した。
今後の見通し
 COVID-19 の感染拡大第2 波、米中対立激化の懸念等、不安定な要素が多くあるものの、総じて上値の重い展開が続くと思われる。

ページの先頭へ戻る
x
協会会員専用ページ

これから先のページは、日本金地金流通協会の会員専用ページとなります。
研修の開催や会員向けの情報を掲載しています。

なお、当協会への入会を検討されている方は、当協会までお問い合わせください。

あなたは日本金地金流通協会の会員ですか?