貴金属市場の動向

2020年12月

石福金属興業株式会社 管理部 資材グループ 鼻渡 総一郎

  • 金市場の動向
  • プラチナ市場の動向
  • 為替市場の動向

金市場の動向 12月の動き
金価格チャート
ドル建て金相場
 1810ドル台でスタートした金相場は、外国為替市場での対ユーロでのドル安基調を背景に堅調に推移。COVID-19の感染再拡大による米雇用統計の低調な内容や、米追加経済対策による大規模な財政出動に対するインフレヘッジとしての金買いも支援材料となり、8日は1,860ドル台後半まで上伸した。
 しかし、英国でのCOVID -19のワクチン接種開始を皮切りに、カナダ、米食品医薬局(FDA)などの先進国でワクチン早期実用化を後押しする報道が続き、ワクチンの早期普及期待が浮上。外国為替市場でのドル上昇も材料となり、安全資産としての金は売られる展開に。14日には1830ドル台まで値を下げた。
 その後、ドルが再び下落に転じると、金価格は1,850ドル台を回復。16日午後の米連邦準備制度理事会(FRB)の発表では、米国債などを買い入れる量的緩和策の長期化が示唆され、ドル安が一段と進行。金は買いが優勢の展開となり17日には1,890ドル台と月間最高値を記録した。
 以降はFRBの発表によるドル安の流れが一服、対ユーロでのドル高基調や利益確定売り、米追加経済対策合意の報によるインフレヘッジ買いなど、強弱材料が入り混じる中で1870~1880ドル台で推移。最終日には1,880ドル台後半を付けてこの年の取引を終了した。
今後の見通し
 COVID-19変異種による感染拡大の動向やワクチンの接種状況に左右される展開が続くも、米追加経済対策などに代表される各国の大規模な財政出動の影響により、金価格は底堅い推移が継続すると思われる。

プラチナ市場の動向 12月の動き
プラチナ価格チャート
ドル建てプラチナ相場
 990ドル台でスタートしたプラチナ相場は、ワクチン年内実用化期待などに起因する株高、WPICのレポートで報告された需給の引き締まりなどを背景とした前月後半の堅調な流れを継続。2日に1,000ドルを突破すると、4日は1,060ドル台まで上伸した。
 その後、利食い売りやCOVID-19の再拡大による低調な経済指標から7日に1,020ドル台に下落、11日には英国とEUの通商協定、米国での追加経済対策の協議難航の報から一時1,000ドル台まで下落したものの、米追加経済対策の協議進展や、FRBの量的緩和策の長期化の報を受けてプラチナは値を戻し、概ね1,020~1,040ドル台で堅調に推移する展開が続いた。
 しかし、21日に感染力の強いCOVID -19の変異種が英国、欧州での感染拡大を嫌気して株価が急落すると、これまで堅調に推移していた反動もあり、プラチナは1,000ドルを割り込み、980ドル台まで値を下げました。
 以降は、米国で9,000億ドル規模の追加経済対策法案が成立、株価が史上最高値近辺まで上昇したことを材料にプラチナ価格は大きく上昇。最終日には1,060ドル台後半を付けて、この年の取引を終了した。
今後の見通し
 ETFへの資金流入は12月も継続、価格は12月を通しほぼ1,000ドルを維持する展開を見せた。
 世界的なCOVID-19再拡大による価格の下押し影響はありつつも、概ね堅調に推移するのではないかと予測する。



為替市場の動向 12月の動き
ドル円為替チャート
ドル円為替相場
 104円台前半でスタートしたドル円相場は、米追加経済対策やCOVID-19のワクチン早期実用化への期待からリスク選好によるドル安・円高の流れとなり4日は103円台後半まで下落。その後、低調な米雇用統計の内容を受けた米長期金利の上昇を受け104円台まで値を戻すと、米追加経済対策の協議に進展が見られないなかで、投資家の間でリスク回避姿勢が強まり、円安・ドル高方向へシフト。概ね104円台前半で推移する展開が続いた。
 14日に入ると、米与野党が追加経済対策について新たな法案を提案する動きを見せた事で、再びドルを売る動きが活発化。英国と欧州連合(EU)との貿易交渉に進展があったとの報や、16日午後にFRBが発表した量的緩和策を「雇用最大化と物価安定の目標へ十分前進するまで続ける」との方針を示した事もドル売りの材料となり、同日のドル円相場は104円台を割り込み、18日には103円台前半まで下落した。
 その後、FRBの発表を受けたドル売り流れが一服し103円台半ばまで値を戻すと、以降はCOVID-19変異種の感染拡大、英国とEUの貿易交渉や米追加経済対策の合意などの強弱材料により、概ね103円台半ば近辺でもみ合う展開が続き、最終日には103.50円でこの年の取引を終了した。
今後の見通し
 米国での量的緩和策の長期継続方針も改めて示され、年末にはCOVID-19関連の追加経済対策も合意に至るなど、ドル安基調の材料が揃う中で、総じて円高傾向で推移するのではないかと予想する。

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